お金の勉強にメルカリはオススメしません!!

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以前、なんかのニュース番組でメルカリを使って経済の仕組みを知りつつ自由研究にしてしまう!というネタを目にしました。

金銭感覚、マーケティング力、お金のことを考える脳みそを鍛えられる良い事例だと取り上げられていたのですが、個人的にはあまりオススメできないと思っています。

中学生くらいになったら、家のあらゆるものを換金されてそう(^_^;)

というわけで、実は似たようなことをして需要と供給の話とか、「利益」とはどこから産まれるのか、などを子供に教えたいなぁと思っていました。

緋色さんが選んだのはMMO RPG(オンラインゲーム)、ドラゴンクエスト10です。
昔やったことある人も多いんじゃないかな?
今でも現役ですよあのゲームは!

というわけで緋色さんがよーやく4.0のストーリーに入った傍らで、ムスコには原価計算を教えていました。


ドラゴンクエストを使った原価計算

ムスコには、何かしらの職人をやりなよー
という話をしていました。
ドラゴンクエストでは序盤、どーしてもお金が足りなくなります。
結果として、それなりに職人稼業を頑張らないと自由に使えるお金が増えないんですよね。


ムスコが選んだのは「ツボ錬金」
これは武器や防具の出来の良さのぶんだけ、さらにプラスアルファの能力を付けられる職人です。

ある程度このゲームに慣れてきた頃、ムスコに儲けをキッチリ計算させてみることを指示してみました。

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考え方

ツボ錬金をやるには、まずツボを買う必要があります。
30回使うことのできるプラチナツボが15000ゴールド(G)だとします。
すると、一回の錬金に500Gかかります。
設備投資費です。

はやぶさの剣★★☆(できの良さ2)を買うとします。
出来の良さ2なので、2回錬金をつけられますね。これを10000Gで買ったとします。
アッせー品のようなイメージ、部材費です。

これに、「かいしんのいちげき+1.2%」の錬金を2回つけようと思います。
この錬金をつけるには以下の材料が必要になります。
するどいキバ 3個
オグリドホーン 2個
ようせいの粉 5個

それぞれ、
するどいキバ 110G
オグリドホーン 5000G
ようせいの粉 100G
で購入できるので、合計すると10830Gが一度の錬金に必要な原材料費となります。

これを2回つけるわけなので、21660Gと、はやぶさ代金10000、設備費500✕2=1000とで足し合わせた32660Gが人件費を除いた総原価ですね。

オグリドホーン高えな…

などと言いつつ、ムスコに計算させます。


ここまでが製造業で言うところの「調達」にあたる仕事です。

ここからは「製造」の仕事となります。

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実際に錬金をしてみます。
ドラゴンクエストのツボ錬金は、ほぼほぼ運任せとなっていて、成功・失敗・大成功・パルプンテと効果が分かれます。

成功すればかいしん率が1.2%アップしますが、失敗すると0.1%しか上がりません。
また、大成功すると1.4%がつく場合もありますが、パルプンテの場合はかいしんとは関係のない効能がつく場合があります(呪文詠唱速度4%アップなど)。

割合としては5割が成功、3割が失敗、1割が大成功、1割がパルプンテといったところでしょうか。
製造業の歩留まり率と考えればとんでもなく低い品質であると言わざるを得ません。ゲームですが。


このルーチンを2回こなして、はやぶさの剣+2を2本作ってみました。
結果は

1本目
大成功
成功

2本目
成功
失敗

と、うまくばらけてくれました。

ここまでが「製造」の仕事。

ここからは営業の仕事、でしょうか。または販売の仕事・・・でしょうか。

基本的には「見込み生産」

一部に例外はありますが、基本的にドラゴンクエストの錬金は見込み生産となります。

なので、本当は「何を作るのか」に対してもそれなりに思考が大事です。
需要の無いものを作っても仕方ありませんので。

そういう意味では、はやぶさの剣のかいしん錬金モノはそこそこ需要があり、販売しやすい商品となっています。

他の人が販売している同じ程度の出来のものと価格を合わせてバザーへ出品します。

1本目は62,000G
2本目は25,000G  で販売。

この際、バザーへの出品手数料が10Gかかり、また売れた場合は5%が販売手数料として引かれます。
そのため62,000Gのものが売れた場合は58,900Gが手に入り、別で10G掛かることとなります。

今回は、一晩のうちに2本とも完売していました。

これに対して原価を引き算します。

1本目
(62,000G x 0.95) - 10 - 32660 = 26,230G

2本目
(25,000G x 0.95) - 10 - 32660 = -8,920G

合計:17,320G の儲け

ということとなりました。

つまるところ大成功しないと利益は出ない  ということがわかりました。

今までムスコは10,000Gで購入したはやぶさの剣が、25,000Gででも売れているのだから赤字ではないと思っていたようで、実際に計算してみたら大赤字だったことに気づいてショックを受けていました。
逆に、大成功している品物はそれなりの価格で販売しても購入してくれる人がいるということがわかりました。


もし売れなかった場合は、再度価格を下げて出品します。
出品し直しの10Gは、在庫管理費に分類してもいいんじゃないかなと。

利益はどこから生まれるのか

以上の内容を踏まえて、じゃあどうやってゴールドを増やしていけばよいのかを考えました。


・需要がある装備を作る
マーケティングの目線です。
いろんなバザーの出品物を見て、錬金なし装備と錬金済み装備との価格差が大きい装備を探すことが大事です。


・失敗したら赤字になる
品質管理の目線です。
安定した品質で品物を供給するため、製造品質を高める(錬金レベルを上げる)ことが大事です。


・原価を下げる
調達の目線です。
バザーで買うと高くても、自分で拾いに行くなどの節約が可能です。
また、バザーも値動きがあるので、安いタイミングで買えるようにウォッチすることが大事です。


こんなことをムスコと話し合ってみました。


結果としてそれなりに経済やものづくりを勉強できたのではないでしょうか??
オンラインゲームは小さな世界の中にマクロ経済学の視点が必要です。

次は、「ドラゴンクエスト10の世界がなぜハイパーインフレを免れているのか」、

について会話してみたいと思っています。
※多くのMMORPGでは何年も経つと経済がインフレ化してきます。



以上、本気で遊べばなんだって勉強になる!
頭ごなしに「TVゲームは時間の無駄」とは言わないでくれ!



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